《MUMEI》
(BL度高し)
あいつの汗ばんだ背中の筋肉が盛り上がり、また柔らかな形状(フォルム)に戻って行く。腰を振るたびになまめかしく曲線を描く。
俺の脳には、これ以上不可能なほど張り切ったおのれの陰茎のイメージが伝わる。ふくれあがったものがあいつの中の肉壁から受ける圧迫に、現実にもそうだと実感している。
俺は自分の若さと体力を確信した。
最後まで入れるとあいつの腰を両手で押さえ、さらに俺の腹をあいつの尾骨の上に、そして睾丸をあいつの会陰に押しつける。あいつの肛門は、さらに広げられようとして悲鳴を上げる。
あいつは逃げようと、腕を立たせ首を持ち上げる。だが、俺は逃がさない。あいつが肛門を必死に締める。このまま千切りとってやると言わんばかりに。あいつの肉壁がからみつく。あいつの内股が俺の外股に吸い付く。
完全な一体感。
俺は思わず大きな呻きを上げた。
あいつの親父や祖父の若い頃もこのようなことがあったのだろうか?俺の占領された頭に無粋に湧き出でた思考があった。俺の様な不埒者がそのときにも居たのか?あいつの体に何代もの同じ容姿の艶めかしい体が重なる。あいつが生まれたということは、その時々の『俺』はやはり添い遂げることが出来なかったということか?
あいつの背中にのしかかり、あいつの両腕を押さえる。俺とあいつはぴったりと密着し俺はあいつの首を、髪を、耳を吸う。あいつの首の頸動脈が浮き出る。長いが細すぎもせず、妖艶な首筋。紅潮する頬。
あいつは可愛い口を喘がして俺に乞う。
「・・・キスして・・・」
俺は聞こえぬふりをして少しずつ腰を動かし出した。
「ああ!・・・ぐ・・あ!」
あいつは頭をベッドに落とし俺の律動に応える。俺は時々動きを止め、勃起したあいつの乳首を両手で嬲る。摘んで乳を搾るようにする。あいつの体は電撃を受けたように反応した。俺の楔を銜えた尻の位置をそのままに、極限まで体を反り返らせる。全身が震える。歯を食いしばり鳴くような声を上げる。
「いいか、他の誰ともこんなことをしたら許さん!」
俺はあいつの既に何も聞こえていない耳に夢中で何回も叫ぶ。あいつの喘ぎと重なる。
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