《MUMEI》
最終種目
(…真司が言ってた通りになったな)


クラスマッチは、最終種目の結果がそのまま順位に繋がる展開になっていた。


俺は、集合場所に並んだ。

前半は、かなりの接戦で、上位六位までがほとんど横一列だった。


「次、並んで」


俺は、横一列に並んだメンバーをさりげなくチェックした。


陸上部はすぐにわかった。

バスケ部は…


(こいつ、か?)


その男は、俺よりも背が低かったが、俺と同じTシャツ短パンでかなり気合いが入っていたし、足の筋肉も発達していた。


瀬川さんにバトンが渡る。

ここで、トップは三つ巴になり、瀬川さんはしっかりその中に入っていた。


「お願い!」


俺は無言で瀬川さんからバトンを受け取り、走り出した。


(さすがに速いな)


陸上部が飛び出した。


俺が全力疾走しても、追い付けないスピードだった。

(こっちは、必死で走れば抜けるかもしれないけど)

俺は、バスケ部のすぐ後ろで走る事にした。


帰宅部の俺がバスケ部の駿足を抜かしては、普通ではなくなるから。


「お願いします」


「任せて!」


俺は二位で受け取ったバトンを三位で津田さんに渡した。

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