《MUMEI》

「霞ねぇ…遅いな。」俺は 時計を見ながら、ソワソワしていた。

…待ち合わせに、間に合わなくなるよ。


「おはよう〜」


…来た〜霞ねぇだ。


「重ちゃん、遅くなってゴメンね。」


て、霞ねぇ…顔色悪くね?


「あ、いたたた…。」突然 霞ねぇが 苦しみ出した。


「霞ねぇ?」


「じ、重ちゃん、陣痛が来たみたい。」


「うえ〜〜?」
じ、陣痛って、産まれるって事?


う、嘘だろ〜?


「お、親父〜お袋〜、か、霞ねぇがぁ〜」


「なんだ、なんだ〜どうした?」


それから…家族で テンヤワンヤで…


数時間後…
俺たちは、病院にいた。


オギャァオギャァ…
う、産まれた?


女の子だった。


「猿みてぇだな。」

俺と親父は 赤ちゃんを見て 呟いた。


霞ねぇの病室に入ると、「重ちゃん、ごめんね〜最悪だね。彼女 怒らなかった?」


「あ〜〜〜!!!!」

俺は完全に 忘れていた。

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