《MUMEI》 俺達は、得意の武器を持って、瞬間移動で戦いの場に出る。 「滝…ラーテは?」 「もう少しで来るよ」 すると、コツコツと足音が聞こえて来た。 「5人で十分なのか?大したチームだな」 ラーテだった。 「ふっ…実力で勝負よ」 純は不敵な笑みを浮かばせる。 「いつもこんな寒い地下道で暮らしているの?」 「あぁ…人間には不向きか?」 瞳は奇妙な部屋に不思議がっていた。 「異様な感じね」 (…なにかの気配がする!) 「純!瞳!その辺り危ないぜ!」 「え!?」 俺はバリアを張ろうとしたが、もう遅い。 「うわぁああ!」 一瞬にしてタイルを粉々にした。それも衝撃破で。 「効いたようだな。さすがに能力だけでは反応が遅いか」 「お前も逃げたほうがいいんじゃないのか」 その時、智嬉は力を蓄えていた。敵の足場を封じるつもりか… 「智嬉!」 「任せろ…」 「貴様、なにする気だ!」 やはり足場を封じるつもりだった。 「“冷拳”!!」 智嬉のサポート技。敵を一気に氷で閉じ込める。だが、一定時間にしか過ぎない。 「なんだこれは?ひんやりする…」 「滝!今がチャンスだ!奴を倒せ!」 「分かった!!」 そして俺は、棍棒を一気に振り上げた。 「ラーテ…今まで散々やってくれたな…その分を返してやるぜ!!」 その時、ニヤリとラーテの口元が笑った。 「何!?」 「私も以前、君らと同じ能力者…闘う戦士だった。平和を守るための。だが、黒い心が芽生え、世界を破滅しようと企んだ…」 ラーテは静かに語る。長い髪を気だるそうにしながら。 「俺もそうさ!平和にするために闘う!だから…お前を…浄化させる」 そうしたら、生まれ変わった時、同じ戦士として戦えるだろう… 「私を良心に戻してくれるのかい?」 「あぁ…」 俺は棍棒を力無く振り下ろした。 「どこまで平和主義者なんだろうねぇ…ウチのリーダーは」 純が呆れ半分に呟いたのを、俺は聞き逃さなかった。 「でも滝は絶対そうしてくれると信じてた。血を流す戦いなんてしないわ…きっと」 前へ |次へ |
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