《MUMEI》

―――…その時…!


…ドンッ…!


「きゃっ!」「うわっ!」



角を曲がった途端、出会い頭に誰かとぶつかり、武と女性のものと思わしき悲鳴が聞こえた。



武は弾みで路上に転び、膝を擦り剥いた。


「あ痛たたたた…!」


「武さん、大丈夫!?」



ドラミは、武に駆け寄って起こそうとするが――…


「俺はいいから、相手の人を介抱してやってくれ。」



武は意外と紳士的な態度で、ぶつかった相手を気遣っていた。

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