《MUMEI》
頼みの綱
   〜海視点〜


俺は息を整えながら門をくぐる。


ってゆうか平日に来ても忙しくて相手にしてもらえないか?


でも、栄実の状態を見て呑気に学校に行っている気にもなれなくて・・・


走り出したはいいが、長い道のりだった。


こんなに遠かったっけ?1回家に帰ってチャリで来れば良かったよ・・・。


俺は、くだらないことを考えながら目的の場所へ行く。


窓から中を覗き、お目当ての人物を探す。


・・・・・はぁ。


やっぱりもういないか。あれからもう5・6年経つもんな・・・。


俺は、ふぅ―っとため息をつきながらその場に座り込んだ。


あぁ・・・・・頼みの綱が。


ガララッ――


いきなりドアが開き驚いてそちらを見る。


「「あっ」」


見覚えのある顔に思わず声を漏らす。


「・・・青浜か?」


「はい、お久しぶりです!森谷先生」


見覚えのある人物――森谷先生の遠慮がちな質問に答え、歩み寄る。


「おぉ久しぶりだな!元気してるのか?」


ガハガハと笑いながら森谷先生は、話し始める。


「お前学校は?ま〜たサボリか?お前には悩まされたよ!お陰でハゲちまった」


森谷先生はまた豪快に笑う。


「ハゲは俺のせいじゃないっすよ!」


俺もつられて笑う。


「懐かしいなぁ〜もう3年も経つのか・・・」


少し切なそうに笑う森谷先生は、小学6年生の時の担任だ。

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