《MUMEI》 初めてのキス夏海の家まで奴は送ってくれた。 突然のキス。 何がおきたか、わからなかった。 目を開けたまま。 キスをした。 「おやすみ」 奴の声。 時間だけがすぎていく。 奴の背中を見送る いや、見ていただけ。 ただ、ただ、呆然としていた。 我に帰るまで、遠くで、最後の、垂れ柳の、花火の音が、響いてた・・・ 明日からどんな顔して、会えばよいのか。 どうしよう どうしよう どうしよう 繰り返し、つぶやいて、いた。 前へ |次へ |
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