《MUMEI》

「……あのさあ。」

七生の線香花火が二本、こよりのように一つに巻いてく。
また、変なことをして。

「何?」

俺は一本でじっくり楽しみたい。

「これ、後で読んでくれる?」

七生の線香花火の仄かな光で差し出したもののシルエットが浮き出た。

「果たし状?」

織り方がまさにそれだ。

「違う、招待状。」

よく見ると毛筆で招待状と書かれていた。




中身は

土曜日午後10時に
指定の場所にて七生の18歳の誕生日を祝うというものだった。





迂闊にも俺は七生の誕生日を祝いそびれていた。
俺へのチャンスのつもりだろうか?


というより、七生にプレゼント渡すべきか?
今更なとこもあるけど…………。

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