《MUMEI》

◆◇◆

 彩貴は自分に寄り掛かって妖達が眠っていた事が気になっていた。

「雪兎‥」

「ん?」

「お前達‥何故俺と寝ていた‥?」

「あったかかったからー」

 三匹はにっこりとしつつ口を揃えて答えた。

「‥‥‥‥‥‥‥」

 彩貴は恰も時が止まってしまったかのように暫し動きをなくしていたが、我に返るなりまじまじと三匹を見つめた。

 あどけない笑顔。

 無垢な心。

 この妖達は、自分を好いてくれているのか。

 そう気付いた途端に、三匹が愛しく思えてくるのだった。

◆◇◆

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