《MUMEI》
目の前で起きた立場が逆
結局あの後、死鬼は医十印について行くことにした。あのまま家に居ても、警察が来そうだったし、何より医十印がそれ程危ない奴には見えなかったからだ。

…まあコイツに何されようと問題無いしな、最悪全滅させるのもアリか…

そんな他人が聞けば、怖気立つようなことを考え、ふと死鬼は後ろに向かって声を出した。

「…で?何でテメェ等は一緒に付いて来てんだ?」

するとそれまで黙っていた2人が声を出した。

「「楽しそうだから!!♪」」

同時である、さらにハモっている。死鬼は珍しく小さくため息を吐くと完全に無視するべく、スイッチを切り替えた。


しばらく歩くと医十印は止まった。着いたから、ではない。後ろから付いて来ていた3人がいつの間にか居なくなっていたからだ。

何処にいるのか、探そうとしたその時、上から
"軽自動車が飛んできた。"

よく見れば車道に長い列が出来ていた。その列を追っていくと信じられない光景が医十印の目に入ってきた。





───時は少し戻って、

死鬼と快楽にミスアは医十印の後ろをついて行っていた。

いったいどこまで行くのか、そんな事を死鬼が考え、車道に目をうつすと、そこには子猫が居た。

快楽とミスアは気付いていない、気付いたのは死鬼だけだ。

よく見れば車があと5メートルのところまで来ていた、死鬼は何も考えず、子猫をかばう形で車道に飛び込んだ。


───刹那、轟音が辺りに響き、医十印の目の前に物体が飛んできた。

ただ…飛んできた物体は死鬼や子猫ではなく…鉄の塊ではあったが…。





†"真実とおぼろげな現実"へ

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