《MUMEI》 「済まなかったな。急いでたもんでな…。 …どうだ?…立てるか?」 武は、ぶっきらぼうな態度ではあるが、潔く自分の非を認めて、しずかに手を貸そうとするが――…。 「――………。」 しずかは、差し出された武の手に頼ることなく立ち上がった…。 そして、衣服についた土埃を払い落とすこともなく――… 「ゴメンなさい!…サヨナラ!」 …突然、武に背を向けて走り去った…。 「――…しずかさん……?」 そう呼びかけるドラミの目前を走り抜けたときも、しずかは無言だった。 ただ――…… しずかは何故か、悲しそうに……辛そうに目を閉じているのをドラミは見逃さなかった。 前へ |次へ |
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