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《MUMEI》 ◆◇◆ 一頻り泣いた鈴音は顔を覆っていた手をゆっくりと離し、徐に立ち上がると外へ歩き出そうとする。 「おい‥っ」 彩貴が止めようとすると、狐叉が制した。 「待て。様子を見よう」 「な‥」 「夜桜に憑いたのも、何か理由があっての事だ。鈴音を止めるべきでは無い」 「夜桜はどうなる」 「案ずるな。大丈夫だ」 「‥‥‥‥‥‥‥」 不安に思いつつも、彩貴は何も言う事が出来なかった。 ◆◇◆ 前へ |次へ |
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