《MUMEI》

「椎名!!ゆっくり運べ!!」


指示を出す翔太。





「ホラな。


化けの皮が剥がれた。


無茶だったんだよ。」


桜井、二ノ宮が想像していた展開になり始めている。


「今の奴らにさっきまでの爆発力はない。


まだ前半なのに時間切れ。


魔法が解けたんだ。」


桜井の言う通り、


赤高はこの段階で体力を失っていた。


残り6分を走りきる体力は無かったかもしれない。


試合が始まった時に持っていた、


『勝ちたい』


その気持ちは、


『早くハーフタイムになってくれ』


そんな気持ちへと変わっていた。


この展開を読んでいた二ノ宮。


しかし、彼にも計算違いがあった。


(あの場面でキーパーが止めるとはな…)


『早くハーフタイムになってくれ』


村木にその気持ちはない。


『勝ちたい』


その言葉が残っていた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫