《MUMEI》
初恋…いっくんの涙
「おに〜ちゃん、でもサ、このままじゃいけないよね、真夜ちゃんは結局、あたしに気を使ってんだもん。」


「そ〜だよねえ。」
気のない返事のおに〜ちゃん。


「おに〜ちゃんも、責任あんだから、真面目に考えてよ。」


「へいへい、それで いっくんは、ど〜したい訳?」


「ど〜って、そりゃ…」


「二人が、上手くいって欲しい?」


「あ…当たり前じゃない!!」


「そう…」


「…」「…」シ〜〜ン……。


「いじわる…」パタッ…机に、うつ伏すあたし。


「いっくん!」


「声 出さないで泣くと、苦しいよ。」


「泣いてないもん、泣くの〜嫌いだもん。」

「なんで?」


「頭 痛くなるんだもん。」


「バカだね、素直に泣かないからだよ。」


おに〜ちゃんが、あたしの頭を、優しく撫でる。


「う…っく…」
ひい……っく、あぅ…ひっく、え〜ん…



…初恋だったものネ……いっくん……

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