《MUMEI》

――…あの苦しそうな声はジャイ子ちゃんだったのね!?


だとすると――…ジャイ子ちゃんは怪我をしているか……下手をすると瀕死の状態なのかもしれない…。



「こうしちゃいられないわ…!」


ドラミは、スネオの家に拉致監禁されているであろうジャイ子の安否を案ずると、思わず叫んだ…!



「おい、ドラミ……さっきからなに一人で考えてんだよ。

…“こうしちゃいられない”って、何がだよ…?

…それと“声”がどうしたっていうんだ?」


武は、自分を置き去りにして物思いに耽るドラミに、軽い苛立ちを覚えていた――…。




―――…しかし……

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