《MUMEI》 「早…」 村木は身長170センチ程。 小さくも大きくもない彼が、リバウンドを取る。 授業とはいえ、バスケ部の部員も混ざっている。 赤高のバスケ部は強豪。 その部員を抑え、 リバウンドを取った。 「は!?」 その後も、村木はシュートを打つことはなかったが、リバウンドを取る。 何故彼がそんなにリバウンドを取ることができたのか? それは才能であったのかもしれない。 村木は生まれつき持っていた運動神経の良さに加え、 動体視力、反射神経がずば抜けて高かった。 シュートが打たれた瞬間から、ボールの落下地点、飛ぶタイミングを予測。 あとはボールを取る。 普段目立とうとしない村木の能力を知る者はいなかった。 「お前らバスケ部なのにやられてんじゃん。」 「バカ!!ちげぇ〜よ!! 村木だぞ? 適当に花持たせてやんね〜と何されるかわかんね〜だろ〜が。」 「あ〜、それもそうだな。」 自分が村木よりも劣っている。 そう認めたくないバスケ部の言い訳。 しかし、実際にバスケ部は強豪。 素人相手に負けるわけがない。 そう思った生徒たちは、その言葉を真に受けた。 1人を除いて。 (あいつ… すげぇ…) 前へ |次へ |
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