《MUMEI》 戦闘街の外は道路など無く、ただ土を踏み固めた程度の道があるだけで周りは手付かずといった状態である。空には鳥が飛び交い、緑が多く繁っている。モンスターが多いというが、この辺りはまるで平和で風景を楽しみながら散歩でもできそうである。 「この辺は当然のように雑魚が多いから一人でも楽だろうな」 「ふ〜ん。」 周りを見ながら返事をしているがモンスターの姿は何処にも無い。 一行の前にゴブリンが出現した。今までそこには何もいなかったはずの空間にだ。突然現れたゴブリンの外見は小型の鬼といった感じである。 (これがモンスターか・・結構怖いかも・・) 突然現れたゴブリンに驚きしばらくぼーっとしてしまった狩月。 「な〜〜〜にぼーっとしてんの?早く突撃しなきゃ。」 いきなり背中を押されゴブリンの前へと飛び出す形になってしまう。 ゴブリンが襲い掛かってきた。 「え・・おいちょっとタイム!!」 当然相手が待つわけも無く・・ゴブリンの手に持っている棍棒で殴りかかってきた。 いきなりの打撃を受けふらつく狩月。一応手で頭をガードはしたが・・ 「いってぇぇ・・」 「何やってんの〜ふぁいと〜」 (マジで痛い・・くっそ〜〜〜) 反撃を試みるが・・まだ剣すら抜いていない。 「えぇ・・しまった・・」 あわてている隙にさらに一撃を喰らう狩月。 「・・・センス無いんじゃないの?」 ぼそっと想花が言った。 「聞こえてるって!!」 つい突っ込む狩月。当然また隙だらけ。ふと前を見るとすでにゴブリンは攻撃態勢である。 次を喰う・・そう確信した狩月。 「うわぁぁあああああああああ!!」 「も〜しょうがないなぁ〜・・ここに集いし精霊よ。私の呼びかけに答え敵を撃て!マジックショット!!」 すっと杖を構えスキルを発動させる。杖の上に光弾が発生しゴブリンへと襲い掛かる。 3発の光弾がゴブリンに直撃する。 マジックショットは中距離から遠距離用のスキルであり発動後真っ直ぐ飛んで行く光弾を作り出す。無属性のためどんな敵にもある程度のダメージはあたえられる。使い勝手のいいスキルである。 「なんでゴブに負けそうなんだよ。」 「いきなりで驚いたんだよ!しかも押されたし!それにさっきまで居なかっただろ?ってその前にお前なにもしてないじゃねえか!!」 「ゴブなんかに矢使えるか!!」 と正論のようなことを言っているが彼の持つ矢は大気中の魔力を編んだ物で矢の数に限りは無いのだが・・狩月はそんなことはまだ知らない。 「確かに・・。」 むむむ、と不満そうな顔をしながら頷く狩月。 「モンスターは最初は見えないことが多いんだよ〜だからいつでも気を抜かずってね。でも、初めてはそんなもんだよ、次がんばろ〜。」 押されたという部分を無視しながら笑顔な想花。 前へ |次へ |
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