《MUMEI》

体を休める赤高。


1人だけ元気だったのは村木だ。


練習中のキーパーは、シュート練習等になると、唯一休むことができない。


しかし、試合となると運動量は一番少なく、体力が余る。


村木はそのことを、申し訳なく感じていた。


体力の限界まで走り続けるフィールダー。


それに比べ自分はじっと相手のシュートを待つ。


(俺は…


得点を取ることができない。


それは皆に頼るしかない。


もし…


もしあの時ハンド部に誘われていなかったら、


きっとつまらないまま高校生活過ごしてただろうな…


何で…


何でもっと早く始めなかった?


俺にとって初めての大会。


でも…


夏が終わったら引退だ…


俺は…


もっと頑張りたい。


勝ちたい。


俺は点を取ることは出来ないけど…


俺が守れば勝てるんだ…


赤高のゴールを守る。


それが俺の仕事。


俺に出来ること…


そして…


俺にしか出来ないことだ…)


「ピー!!」


審判が笛を吹く。


赤高対海南。


後半戦が始まる。

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