《MUMEI》

林太郎は失くなった絵画を置いていた部屋へ行く。
何者か、影を見付けて林太郎は身構えた。

「律郎君、お先に入らせて頂いたよ。」

誉に先を越されていた。

「何か気に為る品は有りましたか。」

林太郎は商売人の反射神経が働く。

「釣れ無いなあ。
僕は君の為に来たんだよ、美人の前に怪盗が現れれば颯爽と登場した探偵により解決されるものだろう。」

確かに、誉は其のような事件が起きれば鮮やかに解決しそうな容姿ではあった。
しかし、今の林太郎には全て疑うことしか出来ない。馬が暴れた件も此の窃盗と絡んでいるようでならないのである。

「貴方は何時もそんな言葉を様々な方に投げ掛けているのでしょう。口は災いの元、刺されてしますよ。」

「――――――心配してくれたのかい。肝に命じておくよ。」

誉の自信に満ちた態度から、反省の色は見られない。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫