《MUMEI》
怒りのジャイアンキック
それはドラミが追うキラの幻影と、武が捜す妹の行方が、奇妙な一致を見せた瞬間だった。



―――…でも…


…いったい何のために…?



ドラミの思考は再び壁に突き当たった――…。



ひとつ謎が解けると、また新たな謎が首をもたげる――…。



そんな堂堂巡りのような思案に割って入ってきたのは――…


「おい…。いま……スネオって言ったのか……!?」


……武の野太い声だった。



「――…え…?」


「今確かに……ジャイ子を拐ったのはスネオって言ったよな!!?」



無意識のうちに呟いたドラミの独り言が、武の感情を激高させていたのだ。

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