《MUMEI》
やればできる子
   〜歩視点〜


授業中にも関わらず俺はノートも教科書も開かず考えにふけていた。

小湊さんの言葉を思い出しながら。


手紙で伝える・・・?


手紙を書いてどうやって渡せばいいんだろう??


下駄場に入れる・・・とか?


・・・・・それじゃあまるでラブレターじゃん!!


照れるなぁ♪麗羅チャン喜んでくれるかな・・・?


・・・・・・・・。


・・・・・・・・・・・・・・。


って違―う!!


そうじゃなくて、今は麗羅チャンを北川 真星から守る方法を考えなくちゃ・・・手遅れになる前に。


麗羅チャンは、北川 真星を信じきってるみたいだから・・・・・

北川 真星の噂を伝えたところで信じないだろうし、下手したら怒っちゃうだろうな。


ん゙―――


俺、頭使うの苦手なんだよな・・・。


痛む頭を抱えながら俺は必死に考える。


麗羅チャンから北川 真星を引き離すことができれば・・・麗羅チャンは傷つかなくて済むはず!!


どうやったら・・・?


ってゆうか何で麗羅チャンと北川 真星は一緒に居たんだ??


・・・・・・・・・・ん?


・・・・・栄実!!今日は、栄実が居ないから1人でいる麗羅チャンに北川 真星が近づいたのかも!


栄実が学校に来れば、麗羅チャンが栄実といれば北川 真星も簡単には麗羅チャンに手出しできないかも!


俺って実は頭いいんだな・・・♪やればできる子ってやつか!


自分の考えに感動しながらも、思い立ったら即行動!!


「先生!調子悪いんで帰ってもいいですか?」


手を挙げ立ち上がり元気に先生に申し出る。


「それにしては、目が輝いとるが・・・「いや本当に、もう吐きそうなんで帰ります!!」


先生の言葉を遮り、俺はすっからかんの鞄と携帯を持って教室を後にした。

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