《MUMEI》 (そうだ… まだ時間はある。 ここはゆっくり確実に1本だ。) 「ふぅ〜」 ばくばくの心臓の中、無理やり深呼吸をする椎名。 最初は苦しいが、一時的に呼吸が楽になる。 気休めだが、やらないよりはマシ。 そして気持ちを落ち着かせる。 「オッケー!!1本行きましょう!!」 「おぅ!!」 落ち着いて周りを見渡す。 (改めてみると凄いディフェンスだ… これじゃポストに落とすのは難しい。 うちは、セットプレーの場合、攻撃パターンが少ないからロング主体に練習してきたけど、 逆に好都合かもしれない…) 椎名の考えと同じことを、 クロも考えていた。 (となると…) 『いかにロングを打ちやすい環境を作り出すかだ』 2人の考えは一致した。 中を攻めきれない以上、ディフェンスの届かない位置からロングシュートを打つしかない。 キーマンは… ユキヒロと峰田。 前へ |次へ |
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