《MUMEI》 ◆◇◆ 夕凪と鈴音、草愁が帰って行き、邸の庭には夜桜と狐叉、彩貴、そして月裔が残っていた。 「月裔」 夜桜に呼び掛けられ、雪兎達に纏わりつかれ相手をしてやっていた月裔が振り返る。 「はい、何でしょうか」 「今日は‥泊まっていかないか、此処に」 「え、ですが‥」 「一晩くらいなら、構わんだろう」 奥の方から出て来てそう言ったのは彩貴だ。 月裔は驚いた。 「いいのか、彩貴。俺なんかが居ても‥」 「駄目だという理由など何処にも無い」 「ありがとう」 月裔は嬉しそうに笑った。 ◆◇◆ 前へ |次へ |
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