《MUMEI》 夏休みの予定その日のうちに、俺達は演劇部に挨拶に行った。 演劇部の連中の中で俺は、『時々名前を聞くけど基本的に地味なヤツ』として認識されていた。 「だから、文化祭当日、私が祐也をかっこよく大改造するから、祐也が『孝太』でいい?」 「あ、…い、いいッスよ」 津田さんに至近距離で甘えるようにお願いされた元『孝太』役は、結局津田さんに言われるまま『和馬』役になった。 そして、『和馬』役は『春樹』役に 守は『祐介』に 真司は『雅彦』に 拓磨は『克也』に それぞれ決まった。 「練習は、夏休みから始まるから、よろしくね」 (夏休み…) 「あ、俺」 「朗読ボランティアの日は休んでいいわよ」 相田先生の言葉に俺はホッとしかけたが… (そっちも気まずいんだよなぁ…) 俺達の班の班長は希先輩で 施設側のボランティア担当は屋代さんで 多分、…偶然を装って高山も来る。 (いいや、普通にボランティアだけ集中しよう) 俺はそう心に誓った。 そして、その夜。 俺は今日の出来事と、夏休みの予定を忍にメールで報告した。 しかし、…何故か忍から返信は無かった。 前へ |次へ |
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