《MUMEI》
運命のシュート
「1本行きましょう!!」


必死に声を出す椎名。


「おぅ!!」


それに応える選手たち。


日高が上がる。


(またサイド上がりかよ!!)


しかし、ユキヒロと峰田。


2人のロングが…


「ナイッシュー!!」


止まらない。


(まだあんなシュートが打てるのかよ…)


「時間ねぇぞ!!」


24対23。


残り時間は3分。


海南ボール。


「ディフェンス!!」


「千葉…」


センターが千葉にボールを渡そうとした時だった。


(こいつ…)


峰田が前に出ている。


(悔しいけど、こいつの突破は俺には止められない…


だったら…


ボールを持たせなきゃいい!!)


「くっ!!」


腕を止め、


一旦ドリブル。


冷静に状況を見る。


(峰田さんが前に出てるってことは…)


センターが右45にパスを出す。


(ここしかねぇだろ!!)


パスを読んだ椎名がカットへ。


「バシッ!!」


(ダメだ…


触るので精一杯だ…


キャッチ出来ない…)


弾かれたボールは、


コート外へ。


「だぁ〜!!おしい!!」


ベンチのクロと翔太。


手に汗が…


「うっ…うっ…」


「え?」


声のする方を見るクロ。


マネージャーの佑香が泣いてる。


「おぃ!!何泣いてんだよ!!」


熱くなっている翔太が言う。


「だって…だって…」


今にも崩れそうなくらい泣いている。


「まだ早いよ…」


「え…?」


「泣くのはまだ早い…


ちゃんと最後まで試合を見るんだ。


今はそれがマネージャーの仕事だろ?」


「クロさん…」


佑香が涙をふく。


「頑張れ〜!!」


「負けんな!!」


ベンチが熱くなる。


試合時間は残り2分。

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