《MUMEI》

「1分切ったぞ!!」


叫ぶクロ。


「ここで決めましょう!!」


「おぅ!!」





「ヤバい…


私泣けてきた…」


「こんなの滅多に見れないよ…」


会場はもう男子の部も女子の部も関係ない。


桜井と二ノ宮でさえ、


もはや勝敗はわからなかった。


(赤高…


ここまでやるとは…)


静まり返る会場。


もはやこの試合の結果は、試合が終わるまで誰にも予想が出来なかった。


「サイド上がった!!」


日高が上がる。


そしてユキヒロがシュートを打つ。


(入れ!!)


(入れ〜!!)


(入って!!)


(入れよ!!)


(決まれ〜!!)


運命のシュートが…


「バシッ!!」


止められる。


(そんな…)


「戻れ〜!!」


先頭を走っていたのは…


(一ノ瀬…


未來…)


「未來〜!!」


ロングパスが通る。


残り15秒。


「うぁ〜!!」


未來のシュートは…


「ガンッ!!」


ゴールポストにあたり跳ね返る。


(よし!!)


「ルーズボール!!」


溢れたボールを取ったのは…


(何で…


何でお前がそこにいるんだ!?)


海南エース千葉。


ボールを拾う千葉。


すぐにシュートへ。


(止める!!)


前に出る村木。


千葉のシュートは、


綺麗に…


コースをつく…


「ビー!!」


不気味な程静かな会場内に…


試合終了を告げるブザーが鳴り響く。


(…終わった)


市民体高校生の部。


二回戦第二試合。


赤城北高校対海南高校。


最終スコア24対25。


準決勝に駒を進めたのは…


海南高校。

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