《MUMEI》 夢山滝と根口智嬉とある公立高校。 ここに、リメンバーズチームに所属する前のメンバーが居た。 夢山滝と根口智嬉。 クラスの同級生だったのだ。ちなみに学年は2年。 まだ普通に暮らしていられた頃だった。とある昼休みの時。 「滝!」 「なんだよ…学級委員長」 「いい加減長髪はよせ!黒髪はいいが!」 昔から髪を長くしていたらしい。 「…能力者だって言ってんだろ」 後ろから智嬉が委員長の襟首を掴んだ。 この頃から能力を持っていたらしい。 「貴様ら…俺をからかってんのか?」 「この髪は絶対治せないんだよ!」 「なぜ?」 委員長はそれが不思議で仕方なかった。 「俺も能力者なんだけど、こいつは特別なの」 「智嬉も髪短いのに…なぜだ?」 いつも委員長に言われる毎日。彼の名は加原 俊彦。 「さあて、帰るとするか!」 その時。滝の携帯電話が鳴った。 手に取ると弟の啓助からだった。 「もしもし…お前まだ学校だろう!なんだって電話をよこすんだ!」 「父さんが事故に遇ったって!荒井病院に搬送されたから、兄貴も…!」 しっかりとした口調で話す。 横に居る智嬉は唖然としていた。多分、啓助の声が電話から漏れていたんだろう。 「滝…」 ベッドから声が聞こえた。 「父さん!無理して話さなくていいよ!」 「滝に…すべてを託す。能力として、戦うには、今の君には無理がある」 「え…」 次へ |
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