《MUMEI》
あなたは 誰
「大丈夫ですか?」
ラビが 心配そうに、聞いた。


彼は ふわりと笑い、頷いた。瞳は 赤い色に戻っていた。


力は戻ったが、身体は霊体のままだった。


ユラユラと まるで〜ホログラムのように、儚げな 彼の姿。


「あなたは 誰?」
後ろから 声がした。


目覚めた カイトだった。


「僕は ママを捜さなきゃ…。」
カイトは 封印が解けて、意識が 五年前に 帰っていた。


「カイト、落ち着いて。」


「僕の名前は ユウ、ママの名前は ノラ」


「ママの魔法の言葉を聞いて、僕は…?」


「歩いて〜ピアとジャンニに拾われた。」


「僕は 今は カイト。」


記憶を辿る カイト。


そして、彼を見て 再び 質問をした。


「あなたは 誰?」

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