《MUMEI》 ドキ☆傷だらけの大運動会遂に、当日だ。 緊張で寝不足になる。 しかし、僕が出るのは騎馬以外は短距離走のみ。 騎馬まで体力温存して……。 「タマ!」 …………おけませんでした。 「はい、氷室様!」 競技場の人気の無い場所まで付いて行く。 「呼んだらすぐ来いと何度言わせる!」 右に大振りのビンタ、左に首を振られると同時に左にモミアゲから10センチ発毛した。 「は、はいごめんなさい!」 「罰として、競技中は足枷付けていろ」 氷室様の鞄は四次元にでも繋がっているのだろうか。 あ、あしかせ……本当に出てきた! あしかせは、首輪みたいに革製ではなく、鉄で出来た重いものだった。 「三分でミネラルウォーター買ってこいよ。いつものやつな。」 此処から自販機まで行く時点で三分掛かる。 「そんな……」 あしかせで更に倍の時間掛かるだろう。 しかし抗議したい言葉は飲み込んだ。 「一分、」 氷室様の人差し指が天に向かう。 「遅刻一分毎に背中に針で名前をなぞってやる。」 氷室様はソーイングセットを取り出す。 針………… 僕の想像力では予測不可能な罰則だ……! 前へ |次へ |
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