《MUMEI》

懐中電灯の光は、すぐに武の後ろ姿を照らす。


そこには最愛の妹との対面を果たし、安堵の涙にむせぶ兄の姿が在った。



「―――…良かった…。」


ドラミは胸を撫で下ろした…。




――――…だが………




――――…その時……。




「―――…きっと来ると思ったよ…。エへへへ…。」


暗闇に子供の声が響き渡った…!



武とドラミは、声がした方の暗闇を睨む…!



「その声は…!?」


ドラミが懐中電灯で照らすと、大きなクーラーボックスの上に、ひ弱そうな少年が立っていた。





―――…スネオだった……!

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