《MUMEI》

 林太郎は肩で息をしながら、マットの上で仰向けに後ずさりしようとした。
 ソックスがマットに滑って殆ど動けない。

 はあはあと息づく胸が後ろで縛られた腕のために押し出され、首筋が汗で濡れ、前髪が目に掛かっている。
 普段は不敵で小生意気な顔をしているが、一変して怯えた可愛い顔の表情は男達の征服欲を煽っていた。

 男の姿をしているが、男とは違う『異性』を感じさせていた。
 いつもセックスのことばかりを考えている悪団員どもの股間が疼いた。
 アダルトビデオなどの影響で妄想の中で堕落し尽くした連中が、後腐れのない性欲の現実の捌け口を見つけたのだ!彼らは股をさすったり舌なめずりした。

「お礼にこれから朝まで、俺たちがお前に男の良さをたっぷり教えてやるぜ。ここは寒いから、俺たちのあったかいものを一杯にお前の腹の中に入れて暖めてやるからな。ひひひ」

 口の中にもだ、と手下の一人が言った時、笑いが起こった。
「明日、俺たちの子種を入れたまま授業に出してやるよ。せっかくナカダシするんだから、ちゃんと吸収してくれないと勿体ないからなあ。それまで俺たちが周りに付いていてあげるね」

「ナプキンをしなきゃ汚れちゃうしね!俺たちが替えてやるからさ、女の子なんだから」

「毎日、授業が終わる毎に俺たちにまた入れられるんだから、お尻の口が閉まる暇はないぜ。アナル栓と下腹バンドを買ってやるよ」

 男達から卑猥な台詞が飛び出るたびに、下卑た笑いの渦が何度も起こった。

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