《MUMEI》 車に乗るや否や、女刑事の質問攻めが始まった。 「君達、名前は?」 「あ、俺、洋平っす!小谷洋平!」 「私は水谷美樹です。」 「洋平と美樹ね。私は本多桜、よろしく。」 本多はバックミラー越しに二人を見る。 「で?なんで葛原のオッサンに会いたいんだ?」 本多の単刀直入な質問に、洋平の目が一瞬泳ぐ。 「私に嘘が通ると思うなよ。」 それを見逃さなかった本多は、容赦なく洋平を睨み据える。 洋平は、まるで蛇に睨まれた蛙の様に固まってしまった。 事実、嘘をついているのだ。 心臓が激しく鳴り打っている。 「まぁまぁ、本多さん。相手は高校生ですし、そんなきつい言い方しなくたって…」 「黙って運転しな。」 「はい…。」 三浦が助け船を出そうとしたが、本多の一言でそれは沈んだ。 「で、本当は何が目的だ?」 . 前へ |次へ |
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