《MUMEI》
建物の秘密
「ここが、俺が生まれた部屋か?」


「そこまでは知らん。…亡くなった父なら知っていたかもしれないがな」


忍は、俺がこの建物で生まれた時は、まだ旦那様の執事ではなかった。


この建物は、ラブホと呼ばれる物だった。


ただし、普通よりもかなり料金が高く設定されている。


利用するのは、人に言えない恋人を持った金持ちか


人に言えない性癖を持った金持ちだった。


旦那様は、後者として、この建物を利用していた。


ここは


ラブホとして機能もしていたが


人に言えない性癖を持った金持ちの相手を斡旋する売春宿としても機能していた。


ちなみに、一般人が間違って駐車場に入ってきた場合は、カメラで確認できた時点で、その周辺の電源が落とされる仕組みになっている。


当然、ボタンを押してもシャッターは下りず、玄関も階段も真っ暗だ。


それでも懲りずに階段を上がってきた一般人には、ホテルの従業員が狭い窓口から高額の利用料金を請求する。


当然、支払えない一般人は、そのまま帰る。


そうやって、一般人を追い出すのが普通なのだが…


俺の


母親がここにやってきた時は


状況は違っていた。

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