《MUMEI》 やりきれない想い「何だよ!今の!」 「旦那様の最後の遺言だ」 「それはもう聞いた!今頃何で! あんなテープがあるなら早く聞かせろよ! おかげで、俺は…!」 旦那様が違うと言う、地味で目立たない事を普通だと信じて頑張ってきた俺は、怒りを忍にぶつけた。 「俺だって地味で目立たないが普通だと思ったんだ」 珍しく忍が悔しそうに言った。 「旦那様は、最初の遺言に、『最後の遺言は一周忌の前に、忍と祐也にだけ伝える』と書いていた。 だから、俺は、お前に聞かせる前に、確認した」 (だから、メールが無かったのか) 「どうすればいいんだ、俺は…」 「とりあえず、お前の周りにいる連中の普通を調べろ」 「あんな連中が参考になるかよ!」 お前の周りと言われて真っ先に浮かんだのは高山一族だった。 「それでも、お前よりは普通だ」 「…って、何してんだ、忍!」 忍が旦那様の…最後の遺言を録音したテープを引っ張り出したから、俺は悲鳴を上げた。 「旦那様の命令だ。…だから、アパートではなくて、ここに連れてきた」 「やめろ!やめろよ!やめてくれよ!旦那様の声を消さないでくれよ!忍!! やめろ〜!」 前へ |次へ |
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