《MUMEI》 中3坊主しかし、一人くらいは、話せる人が出来るもんです。 娘をとーして、その親と接点ができて、参観日なんかに、会い、知らない人ばかりで、一筋の光。 「いつも、すみません、遊んでいただいて」 社交辞令で始まり社交辞令で終わる会話。 それでも、私にとっては、一筋の光。神の光。 しだいに輪が広がっていく。 時間はかかるが、話せる人が増えていった。 「おばちゃん、おはようございます」 駿少年は、主人以外の唯一身近な男性だった。 「おはよ、今日は早いのね」 「朝練だし」 「高校でもやるの?受験じゃない?」 「たぶん、おれら、みんな、やると思うよ。ダチはみんな野球しか知らないし、サッカーも好きだけど」 そう言い、一礼して、学校へいく。 「普通の坊主少年なのに、かくれんぼかぁ・・・」 いまだに、信じられなかった。 来年高校生かぁ。 前へ |次へ |
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