《MUMEI》

武は左足を大きく前に出し“正宗”を低く構えた。


おそらくドラミを串刺しにすべく『突き』の一撃を狙っている…。



ドラミも“電光丸”を斜に構えた。



ジリジリと両者の間合いが狭まってゆく…。


高まりゆく緊張は、勝負が一瞬で決まることを匂わせた…。



ドラミはゴクリと唾を飲んだ…。


――…いま死ぬ訳にはいかない…!


――…この強大な相手から逃れるには、どうすればいいの…?


――…『身代わりロボット』はもう無いし…。


――…身代わり……?



――…そうだわ……!



ドラミは不意に、のび太の父親の最期を思い出した…。

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