《MUMEI》
サイズ
「でもこれ、Sなんですけど」


「これで?」


俺は頷いた。


嘘はついていない。


これは、ちゃんとしたメンズのSだった。


ジーンズだって、特に太めを買ったという意識は無かった。


俺の身長だったら、このサイズが普通だった。


「もしかして、これ、着れる?」


津田さんは白い半袖のYシャツを取り出した。


「これは?」


「いいから、着てみて」


俺は、首を傾げながら、そのYシャツを…


「脱いでから」


Tシャツの上から着ようとしたら、津田さんに注意された。


更に…


「ここでいいでしょ!」


洗面所に移動しようとしたら、引き止められた。


「そんなに俺の裸が見たいんですか?」


俺は、あえて普通なら赤くなるような質問をした。


「見たいわよ。…悪い?」

(うっ…)


津田さんは赤くなる所か、きっぱり言い切った。


「好きな人の裸を見たいと思って何が悪いの?
スタイルのいい祐也を見たいと思ったらいけないの?」


「普通は照れがあるだろ…」


(しまった)


心の声が口から出てしまい、俺は口を押さえたが、既に遅かった。

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