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《MUMEI》 第四十三話：龍神「社長！ 私達をブラッドに援軍としていかせてください！」 紫織は翡翠と大地を連れて社長室に入って来たが、 「駄目だ。尊氏のレベルが夢乃以上に値する状況で出撃することは許可できない」 「だけどこのままじゃ！」 「義臣、わしが出る。そのガキどもを連れての」 そこには意外な人物が立っていた。 「翔！ しっかりしろ！」 「か・・・・！」 息はあった。しかしギリギリの状態だ。 夢乃が近くにいることは間違いないが、戦闘中だということは魔力でわかる。 「待ってろよ、すぐに援軍を！」 そして遮れた希望。 そこには二人の尊氏の影。 智子と氷堂仁のもとにいた奴らだ。 「夢乃のチームといえども、私の影にまだ勝てないとは・・・」 二体がじりじりと詰め寄ってくる。 一体相手に騙し討ちで精一杯だというのに、 さらにまだオリジナルに会えないというのに、 それでも戦うしか術が残されていない。 「すまない、やっぱりまだ俺は未熟だ」 「知れたことだ」 尊氏の影二体は同じように笑う。 しかし、言い訳は出来ない。 義臣ならもっと早く、もっとうまく任務を遂行していたはずだ。 尊氏に笑われても仕方ないこと。 だが、快はキッと尊氏を睨み付けると、 「すまない、翔。お前の命俺に賭けろよ！」 快は一気に強力な結界を翔に張り、自分の力を解放する。 しかし、さっきとは少しだけ違った。 「力が変わったな。何をする気だ？」 「一瞬だ。親父から絶対使うなといわれていたが、 そういうわけにもいかなくなった。 召喚の中でも雷神を越える奴だ。 かつて親父と戦ったことがあるならわかるだろう？」 さすがの尊氏にも余裕がきえた。 雷神を越える義臣の十八番。 それも息子が使うなら間違いない！ 「ドラゴンか・・・・」 「龍神だよ！」 暴風が快の周りを取り巻き始める！ その異常な力はコンクリートの壁に亀裂を入れ始める。 そして青い目をした快は理性をギリギリで保ち尊氏と対峙した。 「オリジナルを引きずり出す！ 召喚！ 神龍！」 まばゆい光が空間をすべて切り裂く！ そして現れた一体の龍。 「これでケリを付けてやる」 快は臨戦体制に入った。 前へ |
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