《MUMEI》 銃聲が鳴り、硝煙の芳香が篭る。 林太郎が目を開けると人間で在った物が倒れていた。 木乃伊男が銃口から煙が止む迄待っている。 此の男こそが死体のように無機的だった。 男が頑なに部屋に入れたがらなかったのは短銃を所持している事を識られたくなかったからであった。 「ンンン…………」 ハナは間近に横たわる死体の恐怖のあまりに疱いて自由を訴えた。 林太郎は急いでハナを解放する。 木乃伊男は絵を素早く取り上げた。 実朝は銃聲を客人に気付かれないように花火を催したりして盛大に宴を開いた。 前へ |次へ |
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