《MUMEI》 その時、滝の頭に激しい痛みが走った! 「うわぁああ!!」 (頭が割れる!!) 「大丈夫か!」 「ハハハ…段々痛みによって思い出してくるさ…」 そして、滝は体勢を崩した。肩で息をしている。 「俺は…昔…戦争をして…ひとつの国を潰した…悲しみのあまり、爆発して苦しい思いをした…」 カルテーニは含み笑いをした。 「どうだ…本当だったろう?智嬉とやら」 「嘘だ!こんなの信じない!」 滝は立ち上がり、カルテーニのほうへ頼りなく歩いて行った。 「こんな事…言わせるために能力を使ったのか!?カルテーニ!」 正気に戻ったようだ。 「良かった…普通に戻った」 「啓助は危ないから下がってな!」 「分かった!」 啓助は能力者ではないようだ。 「カルテーニ…母の仇を取ってやる!」 その瞬間に、ブワッと能力が出た。 「滝の力が…目覚めたのか…?」 「いくぞ!」 勢いよく前へ走って行った。 「私には効かない!」 「分からないじゃないか…」 滝の手から、炎のボール状が生まれ、それをカルテーニにぶつけた。 「“爆炎大砲”!!」 「あ…熱い…体が…くっこのまま退散しよう…2年後、覚えておけ!」 母の体とともに消え去った。 「ハァ…ハァ…」 「兄貴!」 啓助が滝の肩を支える。 「大丈夫か?」 「うん。ちょっと…力を使い過ぎたな…」 啓助の腕の中で、眠りに着いた。 「滝!」 「兄貴!」 そして、翌日。 「…大丈夫か?滝」 智嬉は学校に行く準備をしていた。 「うん。まだ頭痛い…」 「先生には休むって言って置くな。そんな状態じゃあ、また爆発しちまうだろうね」 智嬉は悲しい笑顔をしていた。 「お前も能力者なんだから気をつけろよ」 「ハハハ…分かってる。じゃあな、また明日会おうぜ」 智嬉は気だるそうにドアを開けて、学校に行っていった。 「馬鹿野郎…俺の心配なんかしていられないだろうに」 そして、その2年後、リメンバーズという名のチームの結成へと道を変える。 前へ |次へ |
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