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《MUMEI》 ◇◆◇ 神夜と竹千代は、浅葱が来た事に安堵していた。 浅葱がいてくれると心強い。 何より安心する。 「浅葱、暫く此処に居てくれる‥？」 「はい、仰せとあらば」 浅葱は微笑し、尋ねた。 「月を眺めて居られたのですか？」 こくり、と神夜は頷く。 光を受けたその瞳は、潤んでいた。 「どうすればいいのかしら‥」 分からない。 想いを変える事は出来ない。 押さえる事が出来ない。 だがそれは、許されぬ事。 心に蟠る、迷い。 露の陰りもない月は眩い程に煌めき、白銀の光を注いでいる。 ◇◆◇ 前へ |次へ |
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