《MUMEI》 「こちらは?」 お婆さんにちらりと視線を配られた。 「ばーちゃん、これはじろーって、幼なじみで俺の家族だよ。」 七生に簡単に紹介された。 「母さん、内館の御学友の息子さんです。」 丁寧に北条さんに解説される。 「初めまして。木下二郎です、七生君にはとてもよくして頂いてます。」 深々とお辞儀する。 放送コンクール並の緊張感だ。 「貴方いつもこんな乱暴を働いてらっしゃるの?」 ……言い方に刺を感じるのは気のせいか? 「ばーちゃん、愛の鞭だからコレ。」 「あ、はい冗談でじゃれ合うようなもので……」 七生に便乗。 「まあ、暴力が冗談でまかり通る環境ですか。 嘆かわしい。七生さんにはもっと相応しい場所があるのではありませんかねぇ、木下さん?」 「えっ……」 お祖母さん、俺に振りますか……! 「母さん!」 北条さんが止めてくれた。 「そうだ、奥様宛にお荷物が届いてました。」 メイドさんが話をそらし、お祖母さんを別の部屋に誘導してくれた。 前へ |次へ |
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