《MUMEI》 最終手段「とりあえず、ステージに移動してみましょうか。動作が付けば、棒読みも直るかもしれないし」 演技に関しては意外とキツイ相田先生の言葉に、高山は凹んでいた。 この物語は、まず、商店街の仲間達が、『クローバー』という喫茶店で、集まって会話するシーンから始まる。 「ちょっとはマシになったわね」 相田先生の言う通り、その時の高山は、棒読みでは無くなっていた。 しかし。 「こら!『俊彦』が照れてどうするの!」 「す、すみません!ひざまずくとか、…足に、キ、キスとか… どうしても、必要ですか?」 ブチッ (あ…) 相田先生が、…キレた。 「当たり前でしょ!それが俊彦さんなんだから! 俊彦さんにとってはそれが普通なの! キスはフリだけだし、そのくらい、やりなさい!」 (それ、かなり特殊な普通だな…) 足フェチで、キザなセリフが当たり前。 『村居俊彦』は、確かに実在する人物だけに、俺は思わず苦笑してしまった。 結局、その後も高山はNGの連続で。 「こうなったら、合宿よ! 希にも手伝い頼むから、頑張りなさい、柊!」 いつの間にか相田先生は高山を名前で呼び捨てにしていた 前へ |次へ |
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