《MUMEI》

「クロ?ごめん!!今向かってるんだけど、間に合いそうにないわ!!」


「早く来〜い!!」


「今ダッシュで向かってる!!」


「急いでね!?」


「任せろ!!」





…3日前。


4月13日。


赤高が海南高校に敗れた日。


クロはヤマトにメールを送った。


『負けた…


やっぱ海南強いわ。』


授業中のヤマトに届いたメール。


(二回戦敗退…


まぁ…


今のあいつらにしては上出来だな…


クロ…


悔しいだろうな…)


返信を送るヤマト。


『そっか…


次はクロの番だな。』


クロからの返事はすぐに返ってきた。


『うん。


そのことだけどさ…


なんとかヤマ試合来れない?』


(え!?)


ヤマトにとって…


その誘いはただの偶然には思えなかった。


(ハンドやりてぇ…


そう思って…


イラついてた昨日…


夜のランニングをした昨日…


そして今日…


ハンドの試合の誘い…?)


退屈な生活…


普段の生活をそう感じていたヤマトにとって、


その誘いはただの偶然ではなかった。


(行きてぇ…


けど、バイトどうだっけ?)


シフトの確認をするヤマト。


(16なら行けるんだけどな…)


『16なら行けると思う!!


初日は勝てそう?』


『初日?


寝ぼけてんの?


優勝するんだよ?』


(…やっぱクロは最高だ!!)

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