《MUMEI》 休日「何処行ってたんだ?」 朝からずっと是清を待っていた。 もう18時だ。 「……買い物」 是清の手には晩御飯らしいものが下がっていた。 黙って部屋に入る。 是清は冷蔵庫に買ったものをしまい込み始めた。 「……携帯出せ」 是清は大人しく渡す。 俺は履歴を調べた、朝方に登録していない番号と長く話した形跡がある。 「……徳和か?」 質問に否定は無かった。 襟に触れるとびくついた、めくると首に付けた覚えの無いキスマークがあった。 「ごめん、会わないと死ぬって言うから無視出来なかった。」 是清の黒目が潤んで涙が溜まっていた。 「寝ただろ。」 また、黙ったままだ。 「ごめっ……」 謝られる度、胸の中で何かが弾けた。 半ば衝動的にキスしてやる。 唇はまだ何かを言おうと動いていた。 前へ |次へ |
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