《MUMEI》
荒井純
とある街角。
ここにリメンバーズチームに入る前のメンバーの一人が居た。

夜中にバイクに乗り、紺色の髪をして、鉢巻きを巻いた長身の男。
荒井純。 まだ医者になる前の頃だった。

「リーダー…!」
純はその暴走族の長だったらしい。
「なんだ、健人」
「あ、あれ」

純の友人が見たものは、純のチームのライバル、タクヤの姿だった。

「おい…ここは俺達の縄張りだ。とっとと出て行ってもらおうか」
「うるせぇよ!お前のために譲ってやる権利なんてない!!」
そして、10数台辺りのバイクは、裏街道沿いへ走って行った。交通の邪魔になるからだろう。


「よし…ここでいいだろう」
「今日こそ純の息の根を止めろ!」

「やれるものならやってみな!」

夜に戦う純と暴走族。
医者になるなんて純もこの頃思いもしなかっただろう。

「ぐ…」
血だらけの相手。無傷の純。

「健人…最近不思議な力が出てるって言ったよな?」
「あ?ああ…」
「その技を使う」
「しかし、本当に死んだら!」
「問題ない」

純は雷属性の能力者。
相手にその技が当たってしまったら大変な事になる。
「純、死んでもらおうか」
「お前なんかのために死んでたまるかーー!!」

その時、背後から雷が降って来た。
「みんな!逃げろ!!」

仲間達は一斉に散っていった。純とタクヤだけが残っていた。

「ハァ…ハァ…お前、なかなかやるな」
「まだ生きていたのか?俺の力で死なないなんて、やるじゃないの」

タクヤは純に近寄った。

「…俺の負けだよ。仲間のために守る精神も違うんだからな」
「タクヤ…」
「俺なんかじゃあ、能力者になれないわな」

能力者というのは、守る力がある者が選ばれるらしい。

「だから、根こそぎ奪い取る!」
「な…」
「実は私も能力者だったんだな…」
タクヤも炎の能力者だった。

「なんだって!?」

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