《MUMEI》 たけし風邪をひく。はるかとかなた。「かなた風邪をひく。」http://mumei.org/public/w31151.htm の続き。 = = = = = = = = = = = = = = = = = = = = 「ぅ…へっくしょい!!」 調子こいて風邪をひいていたかなたにちょっかい出し過ぎたのがいけなかったのか、俺もその日の夜に寒気が出てきて頭がクラクラしてそのまま寝込んでしまった。 今まであんま風邪とかひいた事なかったのに…。 バカは風邪ひかないっつーから、油断してたぜ…。 なので今日は大人しくベッドで横になっていると、ドアをノックする音がした。 「誰だよ…開いてっぞ…」 「武〜…大丈夫?」 ドアがゆっくりと開き、向こうからかなたが顔を出した。 「あぁ…お前か…うつんねぇから大丈夫だよな…元だし…」 「うん」 ぼんやりする頭を傾けながら、ベッドの側まで来たかなたの足に腕を絡ませて甘えるように抱きついた。 「武…転んじゃうよ///…ねぇお腹減ってる?」 「ん…あぁ…」 「じゃぁ作ったげるね♪」 普通、かなたみてぇな可愛い奴は料理出来ない…ってのが筋なんだけど、かなたは不似合いなくらい料理上手だった。 それに、洋食を作りそうな見た目で意外にも和食が得意だったりする。 かなたの母親が日本人ってのもあるんだろうけど…。 「お粥作ってあげるね♪」 かなたはそう言うといつもの可愛いエプロンを付けて、申し訳程度のキッチンで料理を作り始めた。 「ぁ〜…お粥っつってたな…米なんてそこに無かったけど…」 普段、米なんて面倒くさいモンは食わねぇから置いてなかったんだけど。 「大丈夫、前に見た時無かったから持ってきたよ」 全く…用意がいいな…。 寝っ転がりながらキッチンのかなたを眺めていると、まな板で何かをトントンと切っている音が小気味よく聞こえてきた。 俺ん家は物心が付く前から母親が居なかったから…懐かしいという思いは無いんだけど。 そのリズミカルな音が心地よくて、かなたの後ろ姿を眺めながらうっとりと聞き入っていた。 前へ |次へ |
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