《MUMEI》
存在
自宅にて。

夏海はカバンを置いて、白い、何も書いてない、封筒を開けた。

封は閉じてない

深呼吸して読んだ。

何度も
何度も 読んだ。

頭に入らない

涙で読めない
読めない

理解できない
いや、理解したくなかった
奴の顔だけが、思い出だけが、見えてきていた

手紙の文字ではなく、奴の顔だけが・・・

夏海は、顔をふせ、泣き叫んだ。

こんなに、好きだったんだ?幸せな時間だった?優しかった?冷たかった?かっこよかった?嬉しかった?楽しかった?苦しかった?せつなかった?

当たり前だった・・・

色々な思いもあるが、いつも、同じ学校にいて、奴が居ること、存在が当たり前だった、ことに、気付く。
当たり前の存在・・

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫