《MUMEI》
まっすぐ、まっすぐ
部活が、おわると、奴は、夏海のバイト先に向かった。

終わる時間を見計らって、向かった。

    いない
    いない

夏海は休んでいた。

    なぜ?

夏海はほとんど、休まない人だったので心配になる。

自宅へ向かった。


夏海が休んだ理由。

引っ越しをわかってたから、越すまでの間、少しでも一緒にいたかった。
手紙をもらう日はわかってたから、前もって、休みをもらっていた。

奴は、そんなことも知らない。
知るわけない

「夏海、俺の手紙みて、休んでしまったのか?」

独り言のようにブツブツ言いながら、不安と切なさと、戸惑いをめぐらせて、夏海の家に、向かった。

まっすぐに、前をむいて。

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