《MUMEI》

「氷室様ぁ……許して下さい。」

明石珠緒

と針の先で背中に書かれるだけなのにもうモミアゲが5センチは伸びた。

それがあと6分遅れたから5回繰り返すことになる。

「タマあ、発言権は貴様には無い。口答えするようなら罰を降してやろうか?」



「痛アァァァァァ!」

氷室様、既に針が背中に刺さりました!

ピンポイントに痛い!

モミアゲが更に伸びた。


「ははは、無様な鳴き声だな。そんな辛抱無いペットは用無しだぞ?」

氷室様の言葉に凍り付いた。

「ひ、氷室様それは僕はもう要らないということなのですかあっ痛ァ!」

氷室様に向き直る瞬間に腹を針で刺される。

モミアゲがまた伸びてしまう。



「ペットはペットらしく這いつくばっていろ!」

実に堂々たる氷室様の態度に何も反論出来なかった。

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